人工知能を使って太陽プラズマの動きを「見る」
2022年5月4日
太陽の研究には多くの課題があります。その温度と太陽表面を上下に動く太陽プラズマを観測するのはわりと簡単ですが、同じプラズマが左右にどのように動くかを見つけるのはたいへんむずかしいです。
太陽プラズマは、太陽の表面を動きまわる非常に高温のガスです。非常に高温なので、その中の原子は電子やイオンなどのさらに小さなつぶつぶにわかれます。
日本の国立天文台と核融合(かくゆうごう)科学研究所の科学者たちは、直接観測することがむずかしい太陽プラズマの左右の動きを予測するために、人工知能モデル(私たちの脳とたいへんよく似た方法で動くコンピュータープログラム)を作りました。そして、太陽プラズマの動きをまねたたくさんのデータを使って人工知能を「訓練(くんれん)」しました。
太陽プラズマの温度と上下方向の動きに関する情報をモデルに提供することで、人工知能はこれらのプラズマが水平方向つまり左右にどのように動くかを予測することができました。なんと、これはおどろくべき発見ではありませんか。
この情報が手元にあれば、たとえば科学者は私たちの太陽をよりよく研究できるだけでなく、プラズマの流れがどのように移動し、その中の原子がたがいにどう融合するかがよりよくわかるようになります。それはすごいことではありませんか?
画像:観測可能な上下方向の動きと表面温度のデータを入力すると、人工知能は水平方向の動きを推測することができます。
提供:日本の国立天文台。
知っ得ダネ
太陽は身近に得ることのできるクリーンなエネルギーの源(みなもと)として、今後人類がこの地球で暮らし続けていくために達成すべき目標(SDGs)はとても重要です。太陽光発電や太陽熱の利用ができるのは、太陽があるおかげだからです。それに太陽は宇宙(あるいは自然)の中にある核融合というクリーンなエネルギーの良い見本でもあります。
This Space Scoop is based on a Press Release from
NAOJ
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