ろくぶんぎ座B銀河は見て楽しい
2021年4月28日

天文学は興味深い科学の分野ですが、その理由は「私たちはどこから来たのか?」「私たち生物は何でできているのか?」「宇宙のはしっこにはいったい何があるのか?」という大いなるぎもんを探っているからだけではありません。天文学が面白いのは見て美しいからでもあるのです。ハッブル宇宙望遠鏡のような望遠鏡がとらえた、うっとりするほど美しい画像を好きにならない人なんているでしょうか。

天文学者たちは米国アリゾナ州のキット・ピーク国立天文台にある口径4mのメイヨール望遠鏡を使って、不規則な形のわい小銀河(わい小銀河とは、小さな銀河という意味です)のとても美しい画像をさつえいしました。

ろくぶんぎ座B銀河にはいろいろな面白い天体がたくさんあります。ルビーのような赤い色でかがやく水素原子の雲は、新しく明るい恒星が生まれるところなので星のゆりかごのようなものです。一方で赤色巨星(せきしょくきょせい)が死に近づいた時に、自分の外側の層をまわりにふきとばしてできた惑星状(わくせいじょう)星雲は、星の墓場のようです。

この画像の中には、前景に私たちの天の川銀河の恒星(こうせい)がかがやいていてその背景に、ぼんやりと遠くの銀河が宇宙をいろどっているのが見えますね。

ろくぶんぎ座B銀河の名前はそれがふくまれている星座の名前から来ています。ろくぶんぎとは水平線からの星の高さを測ったり、二つの天体の角度を測ったりする道具のことです。ポーランドの天文学者ヨハネス・へヴェリウスが1687年にこの星座を発見し、妻のエリザベスとともに観測するのに使っていた道具の名前を星座につけました。彼らは観測のほとんどを望遠鏡を使わずに行っていたんですよ!

写真提供:キット・ピーク国立天文台(KPNO) アメリカ科学財団の国立光学赤外線天文学研究所(NOIRLab) 全米科学財団(NSF)AURA(全米天文学大学連合) データ処理 P. Massey (Lowell Obs.), G. Jacoby, K. Olsen, & C. Smith (AURA/NSF) 画像処理 T.A. Rector (アラスカ・アンカレッジ大学/NSF’s NOIRLab), M. Zamani (NSF’s NOIRLab) & D. de Martin (NSF’s NOIRLab)

知っ得ダネ

エリザベス・へヴェリウスは最初の女性天文学者の一人と考えられています。小惑星(しょうわくせい)と金星のクレーターにかの女の名前がつけられています。

This Space Scoop is based on a Press Release from NOIRLab .
NOIRLab

この記事はアメリカ科学財団の国立光学赤外線天文学研究所の報道発表によります。

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